記事一覧

重圧に負けた稀勢の里関。綱取り場所は2日目にしてヤマ場を迎える。



花道で立つ稀勢の里関の表情は今までと何か違っていた。
 <br>


最近見せるようになった笑みを浮かべるでもなく、かと言って気合が空回りしている様子でもない。
ただ静かに燃えている。それは、白鵬関不在となった今場所を自分が引っ張り、綱取りも決めてやるという強い意志を感じさせるものだった。

「この表情ならいける。」

この時点までは稀勢の里関の勝利を疑わなかった。
しかし、その確信は稀勢の里関の仕切り途中に大きく揺らいだ。
完全に顔面が紅潮しているからだ。

稀勢の里の精神状態を測るバロメーターは、表情にある。
緊張状態にある場合は、顔が紅潮し瞬きが増えてくる。この状態では、本来の実力をほとんど発揮できない。

嫌な予感が胸をよぎる中、立ち合う稀勢の里関は最悪のピョン立ちを見せる。
稀勢の里関の悪癖の一つで、しっかり両足を踏みしめず、跳ねるようにしてぶつかる立ち合いである。
これを行うと、相手に力がしっかり伝わらず有利な体勢を作ることが困難になる。

そのため、立ち合いで得意の左差しの形になることができなかった。
しかし、稀勢の里関はそのまま前に出る。

「あ、これは負けるな。」

何度となく指摘される、腰高の状態で遮二無二寄って行く姿を見て、心の何処かで覚悟した。
そして土俵際、何を思ったのかいきなり右から突き落としを仕掛ける。
命綱である左をさせていない状態で、あまりに無謀な試みだった。
案の定、堪えた隠岐の海関に入れ替わられ、あっさりと土俵を割ってしまった。


白鵬関が休場となった今場所、間違いなく期待されるのは稀勢の里関の綱取りだ。
しかし、その期待が急速にしぼむ初日の黒星となってしまった。
 <br>



連続する綱取り場所は何度も続くものではない。
早く決めなくてはいけない。
それに加え、今場所は最大の障壁である白鵬関の休場が決まっている。
このチャンスを必ず活かさなくてはならない。
しかし、大きなチャンスはプレッシャーに変わった。

この日の敗因はシンプルだ。
いつもの通り、重圧に負け本来の相撲が取れなかったのだ。

 <br>


この負け方は、嫌という程見せられてきた。
だから何も言う必要はない。

しかし、1つだけ気になることがある。
それは、稀勢の里関が負けた後首をひねったことだ。

自分の今の状態なら負けるはずがないという確信があったのだろか?
だとするとかなり危険な状態だ。
今日見せた相撲は、5月場所以降の綱取りがかかった取り組みの中で最悪と言っていい内容だった。
自分が想像している以上に緊張で固くなり、身体と心が動かなくなっていることを認識して気持ちを切り替えなければならない。

 <br>


初日の敗戦で、綱取りに黄色信号が点灯した。その結果、2日目にしていきなり正念場となる。
対戦相手は、序盤戦で考えうる最悪の栃煌山関だ。
初日に鶴竜関を落ち着いて破る好調さを見せており、その上先場所敗れている相手だ。
嫌でも力が入る。
そして、もし敗北すれば、それは2日目にして綱取り場所の終わりを意味しているのだ。
 <br>



白鵬関不在で、チャンスと目された今場所は一転して風雲急を告げる展開となった。

しかし、この苦境を乗り越えられなければ綱を張る資格はないのだろう。
むしろ連続2場所の綱取り挑戦で、心が鍛えられたことを証明するには最高のタイミングだ。
栃煌山関に完勝して、成長した証を見せてもらいたい。

そして何より今場所最大の盛り上がりを2日目にして消すような事態だけは避けてほしいと心から願う。

スポンサーリンク

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

momiji

Author:momiji
相撲に関わる色々なランキングを作成しております。

・相撲ポイント
15日間の幕内力士の相撲を最高点10点最低点0点で採点

6点・・・特筆すべき内容がない勝利
5点・・・特筆すべき内容がない敗北
※不戦勝は6点

カテゴリ欄の「2017年各場所ランキング」から素早く確認できます

スポンサードリンク