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リオ五輪を通して、稀勢の里関は優勝すれば横綱になって良いと思うようになった。


リオオリンピックのメダルラッシュに日本が湧いている。
オリンピック開催前の選手団のメダル獲得目標は、金メダル14個合計30個という強気な設定であったが、8/20現在で合計メダル数は目標を達成した。素晴らしい結果である。
そんな好調な日本の勢いに乗せられて、いつもは相撲びいきの私もすっかり五輪競技観戦に夢中になっている。
ただ、テレビ観戦していても頭の何処かで相撲の事を考えてしまうのだが、五輪競技と相撲には本質的に共通する部分があると感じた。
それは、どちらも対戦相手に勝つためには如何に自分の心を制するかが最も大事になるということだ。
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例えば、体操の白井健三選手は床演技を得意とし、団体金メダルの原動力となる素晴らしい活躍を見せた。
個人総合優勝者の内村航平選手に「床は白井に敵わない」と言わせる程の実力を持つ選手であるが、その白井選手でも金メダルの大本命と言われた個人の床種目ではメダルに届かなかった。

本人の口から、敗因は「団体金での達成感」と「予選でのラインオーバーの減点」と語っていたが、特に後者が大きく影響したとのことだ。
つまり、予選で経験した思わぬ減点を気にするあまり決勝では本来の伸びやかな演技を行うことが出来なかったのだ。
実力的に金メダルの大本命であっても、オリンピック決勝という重圧のかかる舞台で心に迷いが生まれてしまっては勝利を収めることは難しいのだろう。

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同じような例をもうひとつ挙げよう。
女子バドミントンダブルスの決勝戦についてだ。
日本の高橋礼華選手と松友美佐紀選手のペアが勝利し、日本バドミントン史上初の金メダルをもたらしたのだが、この試合はまさに心を制するのは如何に難しいかを教えれくれる試合となった。

心が問われる場面となったのは、最終セットで対戦相手デンマークチームが19-16とリードした場面だ。
日本チームのペアはその時敗北が頭をよぎったそうだ。
しかし、負けてもいいからあと一回相手を驚かすプレイをしようと、気持ちを切り替えたという。この決断が呼び水となり、逆転劇に繋がったのだ。
逆にデンマークペアは、あと2点取れば金メダルに手が届くという意識が働き過ぎたことで足が止まってしまった。
デンマークバドミントン女子初の、金メダルが手に入るというプレッシャーは相当なものだったのだろう。
これらのエピソードは重圧の中で、如何に自分の心を制することが難しいかということを我々に教えてくれる。

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翻って相撲の話だが、4年に一度のオリンピックと2ヶ月ごとに開催される大相撲では単純な比較はできないが、
優勝を意識しながら戦うということは、相当なプレッシャーが伴うということに変わりはない。
それは先場所、優勝争いに加わった瞬間高安関や宝富士関の動きが硬くなったことでも察することができる。
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来場所、稀勢の里関は3場所連続の綱取りを挑む。
このことについては、好角家の間でも賛否が分かれるようで
「優勝したことのない力士がそもそも綱取りに挑むことがおかしい」
といった時期尚早論を挙げる方もいれば、大相撲解説でおなじみの舞の海氏は
「優勝しなくても3場所連続で優勝争いを行えることに価値があり、優勝しなくても横綱に昇進しても良いのではないか」
という横綱昇進容認論を挙げている。

私は、稀勢の里関の綱取りについてどちらの意見も理解ができ結論を出すことができなかった。
しかし、前述したリオオリンピックでの選手たちの心の戦いを通して答えを出すことができた。
つまり、優勝したら横綱昇進で良いのではないかと考えるに至った。

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横綱に昇進することで人生は大きく変わる、そのことは稀勢の里関も十分承知のはずだ。
そんな内なる欲求と、優勝を願う周りからの大きな期待という極限状態で、
不安定な内容で優勝に届かないものの、必死に優勝争いに食らいつき続けることは決して簡単なことではないのだ。
稀勢の里関の綱取り時期尚早論を唱える方々は、今まで稀勢の里関が期待を何度も裏切った経緯がある故に綱取りがかかる場所での連続準優勝という結果を正しく評価できていないのではないかと感じるのだ。

異論がある方も多いと思われるが、リオオリンピックで同じように心が揺れ動き勝利できない多くの選手を見るにつけ、現在までの稀勢の里関の実績を評価し、優勝すれば稀勢の里関横綱昇進論をこれからは主張したいと思う。
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来場所、稀勢の里関がどのような答えを出してくれるのか?
今から非常に楽しみである。

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