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心と技が体を超えた。日馬富士関の優勝を素直に讃えたい。~2016年名古屋場所千秋楽~


名古屋場所千秋楽。
優勝が決まる結びの1番で、すでに優勝はなくなったが一矢報いて意地を見せようとする白鵬関を破り、
日馬富士関が8回目の優勝を手にした。
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思えば、今場所の注目は稀勢の里関の綱取りであり、白鵬関の幕内通算1000勝だった。
日馬富士関は脇役でしかなかった。
3日目に早々に黒星を喫し、9日目に2敗となりそのままズルズルと優勝争いから脱落すると思われた。

事実、10日目高安関との1番は執念の渡しこみで辛うじて勝利を収めたものの、好調とは決して言えない印象だった。

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しかしそこから、日馬富士関は抜群の動きを見せるようになる。

魁聖関、逸ノ城関ら大型力士を立ち合いから瞬殺したのだ。
これは見ていて本当に凄まじく、相手が一歩動いたときにはすでに勝負を終わらせるほどの動きと技のキレだった。


そして迎えた首位決戦で稀勢の里関を真っ向勝負で白星を掴むと、豪栄道関、白鵬関という実力者も破り、
終わってみれば2敗目となった9日目終了時点から6連勝で名古屋場所を終えたのだ。

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この横綱の傑出したところは、その勝負根性であり、心の強さだと感じる。


優勝がかかる1番で自分本来の力を出すのは簡単なことでは無い。

稀勢の里関が勝負所で力を出し切れず、高安関が優勝争いトップに並んだ瞬間から相撲が硬くなったように、
そのプレッシャーは相当なものなのだろう。

もちろん、日馬富士関も緊張はするだろう。しかし、それをねじ伏せ抑える事が出来る。
13日目からの、優勝がかかる精神的にひりつく3連戦を常に自分の相撲、低く鋭い立ち合いからしっかり廻しを引いて攻め込む、を
実践できたところがその事を証明している。

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日馬富士関は、決して体に恵まれた力士ではない。
130kg台の体重は、幕内力士の中ではきわめて軽い。
横綱という最高位の地位にたどり着くためには、あまりにも大きいハンディキャップだったはずだ。

日馬富士関は、横綱に必要な心技体のうち、つらい稽古の積み重ねで、不足する体を心と技で乗り越えて
綱は張るに至ったのだ。
しかも日馬富士関が綱取りを行った頃は、白鵬関が特に充実しており14勝が優勝の最低ラインとなっている。
綱取りを行うタイミングとしては、非常にハードルが高勝ったはずだが、
その時期に、2回の全勝優勝を見せ横綱になったことは大きく評価して良いはずだ。

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ただ、体が小さい分だけ、ケガも多い。
今場所優勝するまでの直近の成績は、肘のけがの影響などもあり9勝、10勝と横綱として合格点を与えられる成績ではなかった。
安定して優勝争いに絡めないことへの批判も多く受けている。

この日白鵬関に勝利して優勝を決めた直後、膝からがっくりと崩れ落ちなかなか立ち上がることができなかった。
本人は膝が入っただけと語っていたが、蓄積した疲労とケガを抱えながら、15日間を戦う事は30を過ぎた体に
大きな負担になっていると推察できる。

もしかしたら、来場所は調子を上げられず優勝争いから早々に離脱する可能性もありうる。

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先の事は誰にもわからない。
しかし、私は日馬富士関が持ち前の真っ向勝負の精神で怪我や批判を乗り越えて優勝回数を重ねていってほしいと
願ってやまない。
なによりも、地位こそ上だがライバルと公言してはばからない稀勢の里関に横綱の厳しさを教える壁になってほしいのだ。
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もう、秋場所への戦いは始まっている。各力士が今場所の反省点を胸に厳しい稽古を積んでいくのだろう。
それは優勝した日馬富士関も例外ではない。
準備を怠れば、調子を落としすぐに相撲に出てしまう。本当に相撲は厳しい世界だ。

だた、今だけは、名古屋場所の疲れを癒し、4場所ぶりに味わう優勝の余韻に浸ってほしいと思う。

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momiji

Author:momiji
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・相撲ポイント
15日間の幕内力士の相撲を最高点10点最低点0点で採点

6点・・・特筆すべき内容がない勝利
5点・・・特筆すべき内容がない敗北
※不戦勝は6点

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