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横綱の壁に再び阻まれた稀勢の里関。5日目に砕かれた確固たる自信を取り戻さなくては賜杯に手は届かないだろう。〜2016年名古屋場所13日目〜


名古屋場所13日目。
結びの1番。優勝を大きく左右するこの大一番は、横綱日馬富士関が持ち前の集中力で稀勢の里関を勝利した。

日馬富士関とっては、やりたいことが全てはまった会心の勝利だったのでは無いだろうか。

鋭く低い当りで相手を止めて、相手得意の左の下手を許さずに、両まわしを引き、動いたところを一気に押し切る。
まさに日馬富士関の真骨頂という相撲で、さすが横綱と思わず唸ってしまった。


さて、横綱に力を見せつけられ完敗した稀勢の里関だったが、見るべき内容が何もなかったわけでは無い。


立ち合いの出足は素晴らしく、日馬富士関の当りをしっかりと組み止めて、左を差す本来の形を作れたのだ。

低い姿勢で両まわしを引かれてしまってのは痛かったが、日馬富士関は立ち合いから自分優位な形を作ることに非常に長けた力士だ。
先場所、白鵬関も日馬富士関に立ち合いから両まわしを引かれ、土俵際まで押し込まれていた。


問題はそこからである。
両まわしを引かれ、左下手を取れない不利な状況に堪え切れなくなったのか左を抜いて上手を求めたのだ。

結果的にこの判断が勝敗を分ける形となったが、これは完全に悪手だった。
そのまま、身体を開き投げを打とうと試みるが逆に呼び込む形となり土俵外まで運ばれてしまった。


なぜ自分の形である、左差しを信じきれずに安易に動いてしまったのか?十分ではなかったものの左は差せていたのだから、十分な体勢とはいえないもののそのままの体勢で勝機を伺う方が明らかに日馬富士関は嫌だったはずだ。

勝負にたらればは禁物だが、5日目に栃煌山関に破れる前の稀勢の里関だったらあの場面でじっと耐えることが出来たと感じてしまう。
あの敗北で、春場所から築き上げた左を差せればどんな状況でも負けないという絶対的な自信が砕けてしまったのだ。
その結果、不利な状況になると自分の形を捨てて動いてしまったと推察できる。


前述した先場所の白鵬関は、立ち合いから日馬富士関に圧倒的に攻められ不利な状況に追い込まれたが、そこから耐えてコツコツと攻め返して自分の形を作って勝利したのだ。


自分を信じる絶対的な自信。
それこそが、賜杯を抱く為に稀勢の里関に最も必要な要素だが、
先場所優勝を求められる状況で、得意の左四つの相撲に徹して勝ち星を積み重ねることで、手にしていたのだ。
それは今場所の4日目まで続き、その後こぼれ落ちてしまった。


今場所は残すところ、あと2日となった。
失った自信を取り戻す為に、残り2番を自分の形で勝ち切らなくてはならない。

優勝の可能性は低くなったが、今後を左右する重要な取り組みが続く。
そこでどのような姿を見せてくれるのか?
稀勢の里関の相撲に注目したい。

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