記事一覧

人それぞれにドラマがある。綱取りを目指す稀勢の里関。同期で新入幕の北磻磨関。〜2016年名古屋場所初日〜


いよいよ開催された2016年名古屋場所。

初日は、綱取りをかけ注目が集まる稀勢の里関がまずまずの相撲で勝利し視界良好と言ったところか。

綱取りの最大の障壁となるであろう白鵬関は好調のようだ。
帰り三役で小結に位置する高安関に何もさせず完勝した。
連勝も30に伸ばし、さらに星を積み上げそうだ。

さて、初日に2大関に土がつくなど取り上げるべき内容は多々あるが、私が初日を通して最も印象に残っているのは、
15年近くをかけて新入幕となった北磻磨関だ。

不勉強で申し訳ないのだが、その様な苦労を全く知らない状態で見た北磻磨関の印象は
「身体が貧相だな」
という、失礼極まりないものだった。

それもそのはず、今場所幕内最軽量力士である。
これは、対戦相手の錦木関の勝ちは揺るがないだろうと考えていた。

事実、立ち合いから体格で勝る錦木関が攻める。
北磻磨関は何とか粘って残す苦しい状況が続く。
土俵際まで押し込まれるが、諦めず体を入れ替えた北磻磨関の切り返しが決まり、初日で新入幕初白星となった。

その諦めない相撲が気になって、北磻磨関の略歴を調べて合点がいった。
この粘りの相撲は長い年月を積み重ねて、形作られたものなのだと。

そして稀勢の里関とは同期であり中学卒業後すぐに角界に入ったという点も同じであることを知った。


綱取りで注目を浴びる大関と初土俵から85場所のスロー昇進での新入幕力士。
出世レースだけを考えるなら、大きく水を開けられてしまっている。

しかも、相撲は身体だけで強くなれる訳ではないが、太りづらく体重が軽い力士は圧倒的に不利である。
今日の北磻磨関の相撲を見る限り
体格で他の幕内力士と劣る分だけ勝ち越すことは容易ではないと感じた。
全く不平等である。
トップに立つことだけを考えるのであれば、早々に別の競技を選択した方が効率的だと思う。
それぐらい軽い体重は相撲では致命的だ。


ただ、である。
取り組み後のインタビューで北磻磨関が見せた表情は、なんとも言えない真摯なものだった。
幕内初勝利は嬉しいが、勝ち越すために一番一番大切に取っていこう決意している男の顔だった。

北磻磨関は、幕下に上がるまでに3年を要し、十両の地位に就くもには10年以上かかっている。
その間、自分の細い身体に悩み苦しみ抜いただろう。
そして、その忍従の果てに幕内に上がってきたのだ。
インタビューで紡ぎ出される言葉には、1勝に一喜一憂するのでは無く、日々最善を尽くしていく潔さを感じさせられた。


横綱は力士になった者なら誰もが目指す頂だ。
そこに手をかける稀勢の里関は夏のまるでヒマワリのである。
大きな華は脚光を浴びることになる。

一方、北磻磨関はあまたいる力士達に紛れる草花の様な存在だろう。大きく注目されることはほとんどない。
しかし、その姿は力強く清々しい。

例え頂点を目指す戦いで無くても
自分の持てる最大限の力を出して、必死に戦おうとする姿を私は応援したい。

できることならば幕内勝ち越しという華を咲かせて欲しいものだ。

スポンサーリンク

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

momiji

Author:momiji
相撲に関わる色々なランキングを作成しております。

・相撲ポイント
15日間の幕内力士の相撲を最高点10点最低点0点で採点

6点・・・特筆すべき内容がない勝利
5点・・・特筆すべき内容がない敗北
※不戦勝は6点

カテゴリ欄の「2017年各場所ランキング」から素早く確認できます

スポンサードリンク