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超人でなくなった白鵬関。相撲人生で初めて現れたライバルは、自身の衰えだった。〜2016年初場所4日目〜


初日の黒星を喫したこともあり、今場所は白鵬関の状態を注視してのTV観戦となっている。

4日目を終えて、白鵬関は3勝1敗。
初日の黒星を引きずらず、
連勝するあたりはさすが大横綱と言ったところか。

ただ、現時点でわかったことは白鵬関は間違いなく衰えつつあると言うことだ。
衰えは精神面、肉体面のどちらにも現れていると推察できるが
取り分け今場所は肉体的な衰えが目立つ。
勤続疲労による右ひじの怪我が深刻な状態だ。


今場所は立ち合いで一度も右差しから下手を引けていない。
引きたくても引けないのだろう。
まわしを引くという動作は、手でしっかりとまわしを掴んで、
腕を固定すること事が必要になる。
つまり、相手の激しい動きに絶えず腕に負荷をかけて対応しなければならなくなることを意味する。
おそらく白鵬関の右肘はそれに耐えうる状態に無い。

そのため、連日立ち合いからかち上げるという差しにいくより肘への負担が軽く
かつ効果的に大勢を有利に出来る戦術を選んでいるのだろう。

現時点では、その戦術に加え今まで培ってきた経験と身体的、精神的な能力で上位に位置しているが、
この偉大な横綱が今まで行ってきた、超人的な強さで他を圧倒する相撲を取ることができなくなっているのは疑いようがない。


白鵬関は、横綱在位通算勝ち星でとうとう横綱北の湖の記録を抜いて、一位となった。
過去に類を見ない実績を持つ大横綱だ。
それゆえに、周囲の雑音を黙らせるような相撲を取りたいと誰よりも思っているはずだ。

ただ、前述した怪我の影響もあるのだろう。
相手に反撃を許しつつも、なんとか勝利する相撲で精一杯の状況だ。
そんな自分に、苛立ちが募るのか隠岐の海関にだめ押しをするなど、
精神的な揺れが見て取れる。

こともなげに対戦相手を転がしてきた姿はなく、
勝利を得るために、遮二無二なっている。
横綱になって以来、ここまでがむしゃらに相撲を取る白鵬関は見たことがない。


私は常々、白鵬関はさらなる進化、の余地が残されていると考えていた。
そして、それを引き出すためには、抑えている野性味を剥き出しにして戦えるほどの
ライバルの存在が不可欠だと考えている。
もしかしたら、そのライバルとは他の誰かではなく自分自身、つまり衰えていく自分なのではないだろうか?
白鵬関は今、まさに相撲人生で最大のライバルとそれこそ必死になって戦っているのだ。


ライバルとの戦いの先で、さらに優勝回数を飛躍的に重ねていくような、
63連勝を上げた全盛期の超人的な強さを超える進化に、もしかしたらたどり着かないかもしれない。

現状を維持するのもままならず、静かに衰えていくだけなのかもしれない。

ただ強さだけを求めず、真摯に自分と向き合い、研鑽することこそ
自身の理想とする「木鶏」の境地に
近づけるのではないだろうか?

相手は関係なく、完全に自分を超える戦いを繰り広げるという
新たなステージに入った白鵬関の挑戦を静かに見守りたいと思う。

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