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2017年九州場所総括 希望は土俵にある



■日馬富士の暴行事件で、騒がしかった九州場所


今年の九州場所は、日馬富士の暴行騒動もあり

個人的に土俵の相撲を集中して見ることが難しかった。

相撲ファンの方々も同じ気持ちではなかっただろうか?


そして、土俵に上がる力士達にも日馬富士の事件は
大きく影響した事だろう。

特に日馬富士が所属する伊勢ヶ浜部屋の力士達には大きな動揺が
走ったことが窺える。

しかし、九州場所の15日間を振り返ると、
力士たちは、土俵上で白熱した取り組みを見せてくれた。

休場者が相次ぐなかでも、相撲内容は充実していると感じさせてくれたのだ。


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白鵬を筆頭に多くの力士が輝きを見せた


■白鵬健在を見せつける、圧勝での40回目の優勝


今回の九州場所は、
白鵬圧勝でドラマ性に欠ける場所と語られる事になるかもしれない。

確かに、千秋楽を待たずに優勝が決まったことを考えると
それは否定できない。

しかし、今年の夏場所、名古屋場所でも
成績の上ではそれぞれ全勝、14勝と際立った結果を出してはいたが
九州場所で40回目の優勝を決めた白鵬の出来は
ここ2、3年で最高と言っていいほど際立っていた。

多くの相撲ファンは、全盛期を彷彿とさせてくれる姿を見せてくれたことに
満足したのではないだろうか?

そして、日馬富士の騒動が土俵に大きく影響しなかったのは、
白鵬が連日抜群の内容で、ビシッと土俵を務めていたことが大きいと感じている。

先場所同様休場者が相次いだものの
今場所が引き締まったのも
白鵬という軸がしっかりとあったおかげだ。

改めて、その強さを見せつけてくれた白鵬の姿は
白鵬が引退時期と決めている東京オリンピックまで、
横綱として健在でいることを確信させてくれた。


■若手、ベテラン。元ホープ。多くの力士が好取組を見せてくれた。


九州場所は、白鵬の場所となった。

だからと言って、ほかの力士たちの相撲がつまらなかったわけでは決してない。

むしろ、それぞれが持てる力を最大限に出して
充実した内容を見せてくれた。


若手でいえば、
まず阿武咲の名前を上げたい。

新入幕から3場所連続で2桁勝利を収め、
新小結として九州場所に臨んだものの
序盤戦から星を落とす苦しい展開で
11日目には7敗目を喫した。

幕内で初の負け越しかと思われたが、そこから4連勝で見事に勝ち越してみせた。
ギリギリの状況でも負けない心の強さは、特筆に値するだろう。


そして、阿武咲のライバル貴景勝も九州場所で活躍した力士の一人だ。
2つの金星と11番の勝利で殊勲賞を獲得し
来場所の新三役を確定的なものにしている。

同じく11勝を挙げ優勝争いに絡んでいった北勝富士も
敢闘賞を受賞し、その存在を世に知らしめた。

成長著しく、注目を集める若手達が、それぞれ結果を出した格好になったのだ。


そして、若手に負けるかとベテランも頑張っていた。


最年長帰り入幕の記録を更新した安美錦は、
苦しみながらも千秋楽で勝ち越しを決めて敢闘賞を獲得した。
インタビューで見せた涙は非常に胸を打つものがあった。

安美錦に次ぐ38歳のベテラン豪風も
千秋楽で敗れ勝ち越しを逃したものの
7敗目から若手を圧倒する好取組で4連勝を飾るなど、気を吐いた。


他にも、
マスコミから大きな注目を浴びつつも
低迷を余儀なくされた元ホープ
遠藤と逸ノ城も、俺たちを忘れるなと言わんばかりに好取組で土俵を盛り上げていた。

白鵬以外の力士達も、
土俵上で白熱した取り組みを見せてくれた。
その相撲は、間違いなく見応えがあるものだった


■白鵬と他の力士の力の差や立ち合いの混乱など課題も浮かび上がった


充実した土俵に満足させてはもらったものの、課題も浮かび上がってきた。

一つ目は、結果として白鵬の一人勝ちを
許してしまったことであり、他の力士たちは重く受け止めなくてはならない。

白鵬が、嘉風戦でまさかの敗戦を喫し
北勝富士、隠岐の海らが優勝争いを演じたが、
あの黒星がなかったらもっと早い段階で優勝が決定した可能性もあったのだ。

本気の白鵬を止められる存在はいまだに存在しないということは明らかだ。

この状況を打開するために、頼るべきは
横綱稀勢の里、鶴竜なのだが、
4場所連続休場で復活のめどが立たない二人に大きな期待はできないだろう。


今場所若手が活躍したとはいえ、誰も白鵬から勝つことはできず
まだまだ、力の差は明らかだ。


白鵬の強さが際立ちすぎれば、興行として面白さが欠けてしまう。

大相撲を盛り上げるためにも、
打倒白鵬を合言葉に、白鵬に立ち向かっていく必要がある。


そして、課題の二つ目だが、
立ち合いの乱れの改善を挙げたい。


白鵬の待った要求もそうだが、
千代翔馬が、北勝富士に待ったのあとに張り手を見舞うなど
立ち合いでの力士の振る舞いに問題が生じているのだ。

これは、力士個人の問題もあるのだが
力士と行司や審判部が信頼関係を築けていないことが要因となっていると感じる。

特に、行司はもっと正確かつ厳格に立ち合いを裁かなくてはならない。

ある行司は成立とみなす立ち合いを、ほかの行司は待ったをかけるなど
行司の裁定に一貫性がないため
力士が独自の判断に走ってしまうのだ。

行司の最高位でもある
木村庄之助が2年近く不在というところに、行司の質の低下を表しているのかもしれない。


ただ、この問題は力士自身も大いに問題がある。

勝ちたい気持ちは十分にわかるが、
相手と呼吸を合わせずに立ち合う力士が後を絶たない現状が
行司の裁きを難しくしているのだ。

お互いに信頼関係を構築し、見ている側に不快感を与えるような
振る舞いをただすことが望ましい。


相撲界は、日馬富士の暴行事件を機に
今まで右肩上がりだった状況から一気に逆風が吹き荒れる可能性が少なくない。

賭博問題などの問題が表面化し、客足が遠のいた冬の時代が訪れるかもしれない。

しかし、九州場所で見せてくれた力士たちの相撲は
それらの暗い話題をはねのける力強さがあった。

特に、若手たちの躍動は輝きに満ちていた。

土俵に希望は確かに存在するのだ。

白鵬という強い軸と共に、若手たちが輝きを増せば
必ず相撲は面白くなることだろう。

逆風が吹き荒れても、相撲の面白さは変わらないはずだ。

2018年初場所も、素晴らしい場所になることを期待したい。

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15日間の幕内力士の相撲を最高点10点最低点0点で採点

6点・・・特筆すべき内容がない勝利
5点・・・特筆すべき内容がない敗北
※不戦勝は6点

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