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横綱照ノ富士は夢物語ではない。大関陥落を経験した横綱は存在するのだ


今年最後の九州場所開催まで、1ヶ月を切った。


力士達は秋巡業に参加し、2017年最後の本場所に向けて日々稽古に励んでいる。

そんな中嬉しいニュースが飛び込んだ。

秋場所を、途中休場していた大関照ノ富士が19日から秋巡業に参加したとのことだ。

カド番で迎えた秋場所を途中休場で負け越したため、九州場所は関脇の地位で臨むことが
確定的だが、実力者が土俵に帰ってきたことは嬉しい限りだ。

ただ、一時は横綱間違いなしと言われ周囲から大きく期待されていただけに
大関陥落は照ノ富士に少なくない影響を与えるだろう。





■横綱間違いなしと言われた2015年の躍進ぶり

横綱間違いなしと言われた頃の照ノ富士の活躍はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。

新入幕の段階では、同じモンゴル出身の逸ノ城が大きく注目を集めたためそれほど話題に上らなかったが
大きな体とそれに見合うスケールの大きな相撲で頭角を現して行った。

そして2015年に入ると、大きく飛躍する

春場所で新関脇として13勝を挙げ、敢闘賞と殊勲賞を獲得すると、
翌場所には、12個の白星を重ね初優勝を手にしている。

この時期は白鵬が絶対的な強さを持っており、そんな中鮮やかに優勝をさらった照ノ富士には
大きな期待が集まった。

そして、初大関で迎えた秋場所でも11勝と安定した成績をあげ
春場所からの3場所合計勝ち星は36となった。

大関昇進条件である、3場所33勝を軽く超える活躍に加え
土俵上で見せる迫力のある相撲内容はまさに圧巻だった。

この頃の照ノ富士は、横綱になることが約束されていると言って良いほどの
強さを見せていたのだ。


■2015年秋場所の怪我で、約束された未来が暗転する

流れが変わったのは、2015年秋場所だった。

この場所でも照ノ富士は抜群の相撲内容を見せ、12日目まで11勝1敗で首位を走っていた。
自身2度目の優勝を、着実に手繰り寄せていた。
そしてその先には綱取り挑戦、さらに横綱へという道が間違いなく繋がっていたはずだった。

しかし、13日目。相撲人生は大きく変わる。

稀勢の里との大関対決で、右ひざを負傷。前十字靭帯損傷の怪我を負ってしまう。

結局この怪我が影響し、秋場所は優勝を逃すことになってしまうのだった。


当初この怪我は全治1ヶ月と診断され、決して重症ということではなかった。

しかし、大きな体を支える膝の怪我は、照ノ富士の相撲に悪影響を与えることになる。

翌九州場所では、9勝で勝ち越しするものの相手を圧倒するような以前の相撲は影を潜めてしまった。


そして、2016年初場所では膝の負傷の影響か今度は右肩を負傷してしまい初の休場を経験することとなり
それ以降は、膝の怪我に再び苦しみカド番とギリギリ8勝での勝ち越しを繰り返すこととなった。

その姿に、横綱間違いなしと評され白鵬の後継者と期待された頃の輝きはなかった。

2017年になると膝の状態が回復したのか、本場所前に順調に稽古を重ねることができたようで
本来の実力を出すことができるようになった。

春場所には手負いの稀勢の里に本割、決定戦で敗れる失態を演じたが堂々たる準優勝だった。
続いて夏場所でも、全勝優勝した白鵬に次ぐ12勝を挙げ2場所連続の準優勝となった。


小兵力士に力なく土俵外に出されていたような、カド番で苦しむ照ノ富士ではなく
かつての迫力ある相撲内容に、周囲はとうとう復活かと色めき立った。

しかし、相撲の神様は照ノ富士に冷たかった。

再び膝の怪我が悪化し、満足な稽古を積むことだできない状況で迎えた名古屋場所、秋場所は
どちらも途中休場という惨憺たる結果となった。

そして、完全復活を夢見ながらとうとう大関陥落という憂き目を見ることとなったのだ。


膝の怪我は、完治が難しい。
これからも照ノ富士は、膝の怪我と付き合っていきながら相撲を取り続けるしかないだろう。

それでは、この先横綱の地位に就くことは難しいのだろうか?


■大関陥落後に横綱になった三重ノ海という例がある。

大関陥落後に、横綱になった力士は年6場所制が定着して以降誕生していないわけではない。
横綱三重ノ海が、唯一の例だ。

三重ノ海は、照ノ富士と同じく関脇時代に優勝を経験し大関に昇進した。

しかし、左足首を負傷し2場所連続休場というこれも照ノ富士と同じ形で大関陥落となったが
関脇として臨んだ翌場所で、10勝をあげ1場所で大関に復帰したのだ。

「大関として活躍しなければならないという気持ちが強すぎた」

そう語った三重ノ海は、2度目の大関生活を気持ちを切り替えて戦い
ついには31歳5ヶ月で横綱にまで上り詰めた。

横綱としては在位8場所と短命に終わったが、北の湖という大横綱がいる中で
2場所連続優勝を飾るなどしっかり結果を残しているのだ。

大関陥落を経験したとしても、横綱までたどり着いた力士は過去に存在するのだ。

照ノ富士にできないことは決してない。


■照ノ富士は横綱になる実力と気概を持っている

膝の怪我を負う前の照ノ富士の相撲は、間違いなく綱を張っておかしくない内容だった。
相手の攻めをしっかり受けて、そこから攻め返す相撲は、まさに横綱相撲だった。

そして、何より照ノ富士は気持ちが強い。

膝の怪我を負った、2015年秋場所では万全の相撲ができない状態でも戦い続け
本割で鶴竜を倒し優勝決定戦まで持ち込んだのだ。

見ているこちらが心配になる状態だったが、それでも必死に土俵に立とうとする姿は
胸を熱くさせられたものだ。

そして2017年春場所千秋楽。

前日大関復帰を目指す琴奨菊を、相撲で変化で破ったこと、
対戦相手の横綱稀勢の里が手負いの状態であったことが重なり
会場は稀勢の里勝利を望む雰囲気に満ちていた。

しかし照ノ富士も、怪我が悪化し決して満足な相撲が取れる状態ではなかったのだ。

圧倒的アウェイ、自身の怪我、そんなきつい状態を飲み込んで真摯に勝利を目指す姿には
本当に心が強いと感じさせられたものだ。

この強い心を失わなければ、大関陥落後に横綱になった貴重な2度目のケースになることも
決して非現実的なことではないだろう。


秋巡業で汗を流す照ノ富士は、膝の状態は悪くないようだ。

三重ノ海のように、大関陥落直後に再び2桁勝利を挙げることができれば
再び横綱を目指す流れが生まれるが、果たしてどのような結果が待っているだろうか?

九州場所は、照ノ富士の奮闘に注目したいと思う。

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