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乱暴な相撲なしでは白鵬は優勝できない。2016年以降のデータは語る。



前回、白鵬の相撲に対して以下のような投稿を行なった
「白鵬は乱暴な立ち合いばかりか?2017年の立ち合いを調べてみる」
http://sumo1982.jp/blog-entry-111.html

2017年秋場所時点までの全取組の立ち合いを確認し、
乱暴な立ち合いが多いと批判される白鵬だが、実際のところどれほど
そのような立ち合いを行なっているかを調べた。

結果
全取組の半分近い47%が
横綱としてふさわしくない
「張り手、張り差し、かち上げ、変化」
といった内容を行なっていることがわかった。

特に、相手を負傷させることも辞さないような
張り手、かち上げを行うため
立ち合いを確認して感じたことは、乱暴を通り越して危険であるということだ。


もちろん、白鵬は勝つためにこの危険な戦法を選択している。
実際、白鵬の張り差しかち上げという必殺コンビネーションに、対戦する力士たちは
対応できず屈しているのだ。

それでは、白鵬は優勝するためには、このようなダーティーな取り口を行うしかないのだろうか?

今回は、立ち合いからのかち上げ戦術が常套化してきた
2016年の取り組みを全て調べてみた。

その結果、どのような結果を手に入したのか、確認してみたいと思う。


■2016初場所全立ち合い
2016初場所白鵬全立ち合い

この場所は、琴奨菊が突然の覚醒とともに優勝をさらった場所だったことで印象に残っている人も多いと思われる。

立ち合いのデータを見ると、
まわしを引く立ち合いが最も多く全体の33%となっている。

問題の乱暴なかち上げは、この場所では見られない。
張り差しも3回行なっているものの、相手を気絶させるようなほとんど掌底に近いような危険なケースは
一度もなかった。

代わりに、立ち合いで手を添えて変化する場面が3回と通常の場所以上に変化の回数が多かった。

そして、この場所終盤で稀勢の里、日馬富士に不甲斐ないとも言えるような内容で簡単に敗れ
優勝を逃している。

どこか怪我をしたのか、それとも体力が尽きたのかわからないが
正攻法の立ち合いが大部分を占めたこの場所は、終盤に崩れて優勝を逃している



■2016春場所全立ち合い
2016春場所白鵬全立ち合い

この場所から、張り差しかち上げという地獄のフルコースが常態化した。

グラフを見るとわかるのだが、
張り手、張り差し、かち上げといった立ち合いが、全体の5割を超えるのだ。

しかも、張り手は乱暴に顎を狙い、張って顔面を固定してからかち上げという
危険極まりないものだった。

この場所は、駄目押しも多く
14勝1敗の好成績だったが横綱として胸を張れる内容ではとてもなかった。

11日目〜14日目で、稀勢の里、豪栄道、鶴竜、琴奨菊を圧倒したのは素晴らしかったが
その際全ての立ち合いは乱暴な張り差しだった。


■2016夏場所全立ち合い
2016夏場所白鵬全立ち合い

先場所千秋楽で変化する形で優勝となり、この場所はクリーンな立ち合いをするかと思われたが
結果は全くの逆だった。

危険な張り手、張り差し、かち上げでこの場所も全体の6割を占めている。

特に12日の豪栄道には、顎に完全に肘を入れる形のかち上げでとても危険だった。

対戦相手は、乱暴な立ち合いに歯が立たずといった様子だったが
終盤戦13日目に、稀勢の里との全勝対決を制するなど力強い相撲で観客を沸かせていた。


■2016名古屋場所全立ち合い
2016名古屋場所白鵬全立ち合い

この場所もダーティーな立ち合いが続く。
特に8日目まで顔面を狙うかち上げが半分を占めている。
4、5日には栃煌山、宝富士とかち上げで連続して鼻血を出させている。

ただ、9日目の勢との一番で足を負傷すると
その後は、調子を落とした。

立ち合いも、9日目以降は張り差しもかち上げもなく勝利への執念は感じられなかった。
この場所、5敗を喫し優勝を逃している



■2016九州場所全立ち合い
2016九州場所白鵬全立ち合い

名古屋場所で負った怪我により、横綱として初めて全休を経験した白鵬。
この場所は、再起を図る上で重要な場所だった。

この場所は、
かち上げが立ち合い全体の38%となった。
ただ、肘で顔面を狙うような危険なかち上げは優勝争いが絡む大関、横綱との取組に限られており
危険な立ち合いは少ないように感じた。

ただ、肘の具合が思わしくなく、後半戦に黒星を重ねて
鶴竜の独走を許す結果となった。

名古屋場所から3場所連続で優勝を逃すことになった。


■2016本場所全立ち合い(秋場所を除く)
2016本場所白鵬全立ち合い

さて、
2016年全ての立ち合いを調べた結果

通常の当たりが28%でトップとなったが、
続いてかち上げが24%で2位となっている

張り手、張り差し、かち上げといった危険な立ち合いは
全体の46%。

横綱として好ましくない変化を加えると
全体の54%が真っ向から受けにいっていない立ち合いとなっている。


そして特筆すべきは、優勝した場所は危険な立ち合いが5割を超えているということだ。

逆に優勝を逃した場所は、正攻法の立ち合いが5割を超えている。


2017年も同様の結果が見られたことから、
残念だが、現在の白鵬には、ダーティーな立ち合いをすることでしか賜杯を抱く力は残っていないということになる。


■対戦相手を壊しかねない立ち合いは、即刻やめるべきだ。

個人的には、優勝を逃したものの2016年初場所、2017年のような正攻法の気持ち良い相撲を取ってもらうことを
願っているのだが、
何よりも強いことを望む白鵬だけに、少しでも勝つ確率を上げる立ち合いをこの先も選んでしまうのだろう。


ただ、対戦相手を破壊しかねない顎を狙う掌底のような張り手や、エルボー勝ち上げは絶対に容認できない。
絶対にやめるべきだ。


なぜなら横綱の相撲は、下のものに広がっていくからだ。

白鵬が行う乱暴な立ち合いも、昭和の時代にはあまり見られず
そのような立ち合いを行なった朝青龍以降に根付いてしまったものだ。

白鵬がこのまま危険な立ち合いを続けるならば、それが相撲界で定着してしまう恐れも出てくるのだ。

土俵に立つと、荒々しい白鵬が出てきてなかなか止められないと白鵬はNHKのサンデースポーツで語っていたことがある。

しかし、危険な立ち合いは見ていて清々しいものでは決してない。

この相撲を続けるならば、白鵬は歴史に残る横綱になったとしても
相撲ファンから愛される横綱には決してなれないと感じてならない。


強さは横綱に絶対に必要なものだ。
ただ心も、それと同じぐらい必要だということを
白鵬ほどの横綱ならば理解してほしいものだ。

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