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琴奨菊の奮闘は、立場にこだわらず戦うことの清々しさを教えてくれる。



秋場所の熱戦もすっかり過去の事に感じる10月。
力士達は秋巡業に向け、稽古に励んでいることだろう。

ただ、私にはどうしても秋場所の戦いぶりを取り上げたい力士がいる。
元大関琴奨菊だ。


大関の地位から滑り落ちてから4場所目を迎え、すでに役力士でもなくなっていたこともあり
おそらく、場所前にはあまり期待もされていなかっただろう。

しかし、全盛期を彷彿とさせる鋭い出足と馬力を見せ、
序盤戦を4勝1敗の好成績を挙げた。

休場者が相次いだこともあり、数少ない優勝経験者であるこのがぶりの名手を
優勝候補に推す声も上がっていた程だった。


その後、中盤戦で調子を落とし、優勝争いに絡む事は出来なかったが、
北勝富士や阿武咲と言った伸び盛りの新鋭を圧倒して健在ぶりをアピールしたのだった。

昨年の夏場所以来の2桁勝利となり、
内容結果共に実りある秋場所になったのだが、
私は何よりも琴奨菊の相撲に躍動感が戻った事が嬉しかった。

それは、以前から抱えていた膝の怪我の状態が良くなったことに起因するかもしれないのだが、
なにより、かつてなく相撲に集中できているように思われる。
大関のみならず役力士でもなくなったことから、重圧から解放され外連味のない相撲が取れていると感じるのだ。


正直な感想を言うと、私は以前琴奨菊が好きではなかった。
正確に言うと、大関時代の2014後半ごろからの琴奨菊の相撲が嫌いだった。

馬力のあるがぶり寄りは魅力だが、
2ケタ勝利は年2場所あれば上出来で、ハチナナ、クンロクがやっとという実績は
大関に求められる結果をみたせていなかった。

さらに、2016年初場所で優勝したものの、
それ以外の場所ではほとんど優勝争いに絡むことができなかった。
それは、上を狙うことのできない大関という認識を強くさせた。

そして、何よりカド番となると、格下相手に変化も辞さない何でもありの内容で
大関という地位のみに固執している力士という印象を完全に私の中で定着させてしまったのだ。


だから、2017年初場所で琴奨菊が大関に陥落した際も、仕方ないと考えていた。

そして、大関陥落直後の場所で2ケタ勝利まであと1勝というところまで逆襲して見せたが
最後に力尽き大関復帰がならなかった時
これで、琴奨菊は終わったと私は思った。

簡単な叩きにも足がついていかなくなった脆い相撲を見せていただけに、もう
このまま落ちていくだけだろうと。

案の定、関脇小結と地位を下げ平幕の地位に番付を下げた。
いつまで幕内にいられるのかと考えていた。


しかし、琴奨菊は終わらなかったのだ。

そして、前述したような全盛期を彷彿とさせるような清々しい活躍を
見せたのだった。


地位を守るではなく、再び上を目指すという気持ちが再び
琴奨菊を甦らせたようだ。

その証拠に、琴奨菊は秋場所で平幕が大関、横綱を破った際の殊勲インタビューを拒否している。
「もう一度、這い上がってやる」
そんな気概をインタビュー拒否に感じるのだ。


それでも、再び大関に復帰するのは容易ではない。
膝の怪我は完治したわけではなく、爆弾を抱えたままの状態で
3場所で33勝は至難の業だろう。

しかし、道半ばで倒れてもいいではないか。
再び挑戦しようと全力を尽くすことに意義がある。


来場所は休場していた横綱たちが帰ってくる。
そして再び役力士として場所を迎える。

果たして琴奨菊はどんな相撲を見せてくれるか。
横綱をも蹴散らす持ち前の馬力を見せてくれることを期待して
力いっぱい声援を送りたいと思う。

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